Nova Lakeのリーク表は、数字より計算式を読む
公式発言の「2026年末」と、発売日の意味は別である
2026年1月22日のIntel 4Q2025 Earnings Callで、CEOのLip-Bu Tanが “Nova Lake coming at the end of 2026” と述べた。Intel 4Q2025 Earnings Callの公式PDFで確認できるのは、この年末時点を示す発言である。原文には製品発表、量産、OEM向け出荷、店頭発売といった工程名がない。そのため、どの工程を指すかは公式文言が明示していない、という限定的な推論になる。
たとえば「2026年末に登場」と「10月に店頭発売」は同じ日程情報ではない。前者が年内の製品発表を意味する可能性と、完成品メーカーへの出荷を意味する可能性は、原文だけでは区別できない。リークの時期を比べる際は、日付だけでなく、何の工程の日付なのかを分けて記録すべきである。
コア数やキャッシュ容量も同様である。表に載った数字には、直接伝えられたものと、ダイ構成を仮定して計算されたものが混在する。数字だけを更新していくと、何が確認済みで、何が計算前提なのかが失われる。
33MBから36MBへの更新では、容量より前提を残す
Tom's Hardwareの記事は、Jaykihnに由来するリークとして、8P+12E+4LP-EのL3予測が33MBから36MBへ、4P+4E+4LP-Eが15MBから18MBへ更新されたと伝えた。更新理由として扱われているのは、single-cluster E-core cutdownでもキャッシュプール全体を維持するという主張である。これはIntelが最終SKUの仕様として公表した数値ではなく、特定構成についてのリーク上の仮説である。
33MBから36MBへの差は、無効化されたE-coreクラスタに対応する3MBを控除するかどうかの差と読める。同じ計算なら、4P+4E+4LP-Eも15MBに3MBを加えて18MBとなる。ただしこれは差分を説明するための計算であり、無効化された領域のL3が最終製品で必ず使えることを示すものではない。
記事には6P+12E+4LP-Eも比較対象として載るが、この構成では数字の扱い自体が揺れている。引用された投稿では30MBとされる一方、記事本文と表では27MBに整理されている。直接情報と報道側の整理が一致しない以上、8P+12E+4LP-Eと4P+4E+4LP-Eの更新理由を、すべての構成へ一般化することはできない。
52コアと44コアは、対象と時点をそろえて比較する
VideoCardzの暫定SKU一覧では、175Wのdual-die製品群に52Cと44Cが別行で同時に掲載されている。資料上は、両者を同じ製品群に属する別製品候補として扱うべきである。44Cが52Cを置き換えるという比較ではなく、置換対象として問題になるのは従来報じられた42C案である。
44C行のCPU Configuration欄は「(8+12)+(8+12)+4」である。これをP-core、E-core、LP-E coreの順に読めば、16P+24E+4LP-E、合計44コアとなる。一方でpackage noteには「Dual 8+16 CDIE DS Die Package」とあるため、8+16ダイの一部を無効化して8+12としているなら両立し得るが、表だけでは確定できない。
Hardware Bustersの記事は、Jaykihnの直接情報として42Cから44Cへの変更を伝えた。その後に触れるdual-tileや16P+24E+4LP-Eは、後続報道を踏まえた構成解釈である。コア数の変更と、その44Cをどう構成するかという説明は、出所も確度も分けて扱う必要がある。
数値の更新履歴と計算前提を分けて残す
リークを記録するときは、出典、公開日または更新日、対象製品群、直接記載、計算値、解釈を分ける。Tom's Hardwareなら、8P+12E+4LP-Eの予測値が33MBから36MBへ更新されたことと、single-cluster cutdownでもキャッシュを維持するというリーク上の主張を先に記す。その後に、3MB控除を取りやめた計算なら36MBになると書けば、記事の記載と計算による説明が混ざらない。
6P+12E+4LP-Eについては、引用投稿の30MBと記事本文・表の27MBを併記する。どちらかを正しい値として上書きしないことが重要である。数字の不一致そのものが、直接情報と記事側の整理を区別する理由になる。
VideoCardzの44C行も同じである。CPU Configuration欄の「(8+12)+(8+12)+4」、そこから読める16P+24E+4LP-E、package noteの「Dual 8+16 CDIE」を別々に残す。新しいリークが出たときに追うべきなのは数値の増減だけではなく、どのダイ構成と有効化条件を前提にその数値が導かれたかである。